くわい(慈姑)





    プロフィール

  オモダカ科オモダカ属の多年草で、学名は Sagittaria trifolia ssp. leucopetala。

  中国が原産ですが、現在では世界中に広く野生化しています。わが国へは、弥生時代に渡来したものと考えられています。高さは1メートルくらいになり、葉柄は長くて鏃形の大きな葉を垂直につけます。地下茎の先端には、球形から楕円形の塊茎ができます。これが食用になりますが、食べるのは中国と日本だけです。
  系統・品種と用途

  品種としては、塊茎が青藍色の「あおくわい(青慈姑)」と灰白色の「しろくわい(白慈姑)」があります。また大阪府吹田市周辺で伝統的に栽培されている「吹田くわい(姫くわい)」があります。これは通常のくわいよりも小ぶりで苦味が少なく、ほくほくとした食感が特徴です。
  わが国の生産地は、埼玉県と広島県が主で、全体の90%を生産しています。
  栽培のポイント

  「くわい」を栽培するにあたっての基本条件および栽培のポイントはつぎのとおりです。

 


152025

萌芽適温

15-20

生育適温

18-27

栽培のポイント

  「くわい」は日当たりの良い場所を好みます。ただ温度が15℃以下や30℃以上になると生育が遅くなります。

 

pH

5.06.07.0

土壌酸度

6.0-7.0

栽培のポイント

  中性に近い弱酸性を好みます。強い酸性土壌ではかならず石灰を施し、よく耕してから栽培にとりかかってください。

 


0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

作付け間隔

3-(4)


栽培のポイント

  連作障害がでますので、少なくとも3年は開けるようにしてください。
  栽培のステップ

  「くわい」を栽培するとき、種まきから収穫までの作業ステップは、およそつぎのようになります。ここでは、家庭でも簡単にできる「深型コンテナ栽培」をご紹介します。

 

ステップ

内容

保管・容器

(1) 市販の「くわい」の販売される年末に、必要量を用意しておきます。






(2) 2リットルのペットボトルやプラ鉢などを用意し、種球を水を浸して、冷蔵庫に保存しておきます。

(3) 浸している水は、1週間に1回は交換するようにします。

植付け

(1) 温度が13〜15℃以上なったころ、10号深型コンテナに防水用のビニールをはり、用土(ここでは観葉植物用培養土)を深さ20センチほどまで入れます。






(2) 用土の表面に種球を置き、少し押しつけて、5センチくらいの用土を追加します。

(3) 植付け後、静かに水を注ぎ、3センチくらいの深さに張っておきます。

管理

(1) 2〜3週間たつと、萌芽してきます。水生植物なので、一日も水を切らさないことが大切です。










(2) 成長にあわせて、水深をあげていきます。6〜9センチほどです。

(3) 7月上旬から8月上旬、9月上旬に、追肥として有機配合肥料を1株あたり5〜10グラムほど施します。

(4) 葉の数が多すぎると混みすぎますので、枯れている葉や水面近くにある葉を取り除き、常に1株あたり6〜8枚残すようにします。

収穫

(1) 短日になり、15℃以下の低温に遭うと、塊茎の肥大が始まります。また茎葉は霜に遭うと枯死してしまいますが、塊茎の肥大は晩秋まで続きます。塊茎の肥大最盛期になったら、水深は1センチほどにして、肥大を促進します。

kuwai_6

kuwai_6a

kuwai_7

kuwai_7a


(2) 11月上旬から12月下旬、茎葉が枯れてきたら、収穫の目安です。

(3) 収穫の1か月前に、地上部を刈り取っておくと、塊茎の渋皮がとれて色が良くなります。

(4) 水を抜き、塊茎を傷つけないように掘り上げます。1株で10〜15個の塊茎が収穫できます。
  おもな病害虫

  「くわい」の栽培では、「アブラムシ」などがつくことがあります。
  画像提供:ボタニックガーデン  イラスト: 「ころぽっくる」 by lemさん